今月は、個人の方が立て続けに発明のご相談にお見えになりました。
日々の生活の中で感じていた不便さを、何とか解決できないか、と試行錯誤をかさね、ようやく発明を完成させた方、
長年発明で生計を立てていらっしゃる方、
いろいろな背景を持つ方々から、(おそらく何度も失敗して獲得したのであろう)試作品を拝見させていただくと、特許的にとても優れた製品もあります。
ある休日テレビを見ていると、以前ご相談に来られた方が、発明家と紹介されていました。
テレビで紹介されるほどのこの方は特例かもしれませんが、あのときの、あの発明が、あのとき語られたとおりに—或いはさらに改良されて—、販売されていると、とてもうれしく思います。
一方で、ご相談者のためを思い、時に厳しい話を申し上げることもありますので、
驚き、落胆されるケースもあります。
中には、費用を持参され、即時出願を希望される方もいらっしゃいますが、
発明完成に喜び興奮するあまりに、特許要件検討を十分にすることができずに、
混乱していることもあります。
発明内容を整理してご説明し、結果として受任しないこともあります。
どちらのケースも、皆さん大抵仰るのは、「もっとはやく相談に来ればよかった。」ということです。
ずっと考えていたけれども、相談してみたら実は大した問題では無いこともあります。
発明を創作することはとても大変です。しかし、発明を模倣することはとても簡単です。
ご相談者の発明内容を漏れなく隅々までお聞きし、より有益な権利となるようお手伝いするために、ご相談者との意見の交換は、最も大切なことだと考えております。
高円寺特許事務所
弁理士 岡沢理華